2024年1月31日水曜日

『紀尾井論叢』第9号 発刊のお知らせ

 

『紀尾井論叢』第9号が発刊されましたので、お知らせいたします。


 今号は、上智大学大学院文学研究科史学専攻の大学院生6名の論考から構成されます。
内容も、中国清代「宗族」の地方統治の在り方(柯論文)から羽柴秀吉「中国大返し」の比較史的再検討(ポール論文)、江戸時代初期の大名家御家騒動と「島原天草一揆」の関係(竹山論文)、そして北西ヨーロッパ・地中海世界におけるフリーメイソン関係文書のフィールドワークの報告(大塚調査報告)など、年代・地域・分野を超越した非常に多彩なものです。また、前号と同様に、今号には若手研究セミナー「都市空間と領域の比較史」協力:都市史学会「都市における文化=空間構造から捉える全体史」WG・上智大学大学院文学研究科史学専攻院生会)第2回における研究発表者2名の、それぞれイタリア・リヴォルノ(中田論文)、スペイン・マラガ(新井研究ノート)といった南欧諸都市を焦点化した論考も収録されております(《都市空間と領域の比較史Ⅱ(Comparative history of Urban Space and Territory Part II)》)。

さらに、本号には当初、他にも数名の大学院生が論考の投稿を模索するなど、本号刊行は爾後の上智大学Sapientia会の活動、そして『紀尾井論叢』のさらなる充実と発展を期待させる機会となりました。

 今後とも、『紀尾井論叢』が上智大学大学院生諸氏の研究発表の場を提供し、かつそこから生まれた研究成果が諸氏の研鑽の糧となり、学界への更なる寄与に繋がることを期して、編集委員一同、引き続き精進してまいります。
(文責:第9号編集長・竹山瞬太)

収録内容は下記の通りです。


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◆目次

【論文 Article】

柯昱霖 「龍湖事件から見る清代閩南宗族の地方統治
KE YulinThe regional governance of Chinese lineage during Qing dynasty: A look into LongHu incident.

リュウ・ポール・カン・ハウ 「ごく普通だった「中国大返し」――秀吉の行軍と他の行軍との比較――」
LIU Paul Kang HaoThe completely ordinary “Chūgoku Ōgaeshi”: Comparing Toyotomi Hideyoshi’s 1582 march to others in history.

竹山瞬太 「島原藩松倉家における御家騒動の展開 ――島原天草一揆に至る「領地仕置悪」の一因――」
TAKEYAMA Shunta, The Course of the Feud in Matsukura Family of Shimabara Domain: The Despotism as a Cause of The Shimabara-Amakusa Rebellion.

中田陽奈子 「リヴォルノのユダヤ人とカバラーのネットワーク」
NAKADA Hinako, Jews in Livorno and the Kabbalah Network.
(特集・都市空間と領域の比較史Ⅱ(Comparative history of Urban Space and Territory Part II)

【研究ノート Note】

新井梨予 「レコンキスタ後のマラガへの移住者と都市支配層」
ARAI Riyo, The immigrants to Malaga and Malaga elites after reconquista.
(特集・都市空間と領域の比較史Ⅱ(Comparative history of Urban Space and Territory Part II)


【調査報告 Survey Reports

大塚萌 「イギリス・マルタ文書館巡り ――18世紀マルタ・フリーメイソン文書を中心に――」
OTSUKA MoeA Tour Through British and Maltese Archives: Tracing Maltese Freemasonry Archives in the 18th Century.


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『紀尾井論叢』への論考投稿者は、通年で随時募集しております。上智大学に所属する学生であれば何方様へも門戸を開いておりますので、『紀尾井論叢』および本会に少しでも興味をお持ちの方は、お気軽に本会編集部連絡先(sapientiasophiaXgmail.com. ←「X」を「@」に置き換え)までご連絡ください。

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