2015年12月2日水曜日

第8回Sapientia会研究会 開催概要

 第8回Sapientia会研究会の開催概要が決定しましたのでご連絡いたします。

 本研究会は、上智大学の学生たちによる、分野の枠にとらわれない学際的交流の場の形成を目指しており、所属専攻はもちろん、報告の内容や形式を問わず報告していただけます。研究会や学会での報告を控えての実践的な予行演習として、また卒業論文や修士論文完成に向けての経過報告として、あるいは専門外の方々に興味を持ってもらうための概説的な報告や挑戦的なテーマの発表の機会として利用することもできます。

 今回は主に修士論文および博士論文に向けた報告が中心となります。いずれの報告も専門的な内容となっておりますが、非常に興味深いテーマが扱われており、専門外の方々にとって普段は接触しにくい分野に触れる良い機会となると思われます。また学部生、とりわけ進学を考えている学生にとっては、大学院ではどのような研究テーマが扱われているのかを知るのにうってつけの場と言えます。興味のある方は気兼ねなくご参加ください。

 以下、研究会の概要です。

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○日時場所:1219日(土)10:00-12:0012号館401教室
 報告者3名:報告30分質疑応答10


・スポーツ紙と夕刊紙の社会統合機能の検証
                  ――松実明(新聞学専攻博士後期課程)

後漢期の羌乱 ―東羌の誕生に関して―
                  ――酒井駿多(史学専攻博士前期課程)

「四神相応」の変遷 ―古代陰陽師の「相地」考―
                 ――中村航太郎(史学専攻博士前期課程)

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 またSapientia会では、雑誌『紀尾井論叢』において研究会などにおける成果を発表しており、こちらへの寄稿希望者も併せて通年募集しております。次号の4号は来年2016年の夏に発刊の予定となっておりますので、投稿および発表を希望されるという方は本会アドレス(sapientiasophiaXgmail.comまでX」を「@」に置き換える)までご連絡ください。


上智大学Sapientia会
代表:吉澤直貴(文学研究科史学専攻)

2015年10月10日土曜日

第8回Sapientia会研究会 報告者募集

 Sapientia会では第8回研究会に向けて報告者を募集しております。開催日時につきましては、現時点で11月末、もしくは12月末を予定しておりますが、正式に決定次第あらためて掲載いたします。

 本研究会は、上智大学の学生たちによる、分野の枠にとらわれない学際的交流の場の形成を目指しており、所属専攻はもちろん、報告の内容や形式を問わず報告していただけます。前回の第7回では多様な専門の大学院生のみならず、進学を考えている学部生の積極的な参加もあり、盛況となりました。研究会や学会での報告を控えての実践的な予行演習として、また卒業論文や修士論文完成に向けての経過報告として、あるいは専門外の方々に興味を持ってもらうための概説的な報告や挑戦的なテーマの発表の機会として利用することもできます。

 上記の通り、上智大学の学生であり、かつ意欲がある方ならば、どなたでも報告することが可能です。関心がある方は本会(sapientiasophiaXgmail.com ←Xを@に置換)までご連絡ください。また気になることがある場合も、気兼ねなくお問い合わせくだされば何でも対応いたします。発表者につきましても、決定次第すぐにこちらで連絡をする予定です。

 また、本研究会に参加頂いた方にはSapientia会の成果発表媒体である雑誌『紀尾井論叢』にご投稿いただけますので、こちらも是非ご検討ください。(次号第4号は来年の7月に発刊予定です)


(参考)
第7回Sapientia会の様子:http://sophiasapientia.blogspot.jp/2015/08/7sapientia.html
『紀尾井論叢』第3号:http://sophiasapientia.blogspot.jp/2015/07/3.html
同投稿規定:http://sophiasapientia.blogspot.jp/2010/01/blog-post.html


上智大学Sapientia会
代表:吉澤直貴(文学研究科史学専攻)

2015年8月18日火曜日

第7回Sapientia会研究会

 去る8月7日(金)、上智大学12号館にて今年度初となる第7回Sapientia会研究会が開催されました。当日は厳しい日差しの照りつける中でしたが、史学専攻の院生のほか、新4年生となり卒業論文の執筆を控える学部生も交えた報告会となりました。今回は、修士論文と卒業論文を控える学生にそれぞれ専門のお話をしていただきました。学部生の方々にとってはひとつの卒論のビジョンとして、発表者の方には今後にむけた一つのステップとなったのではないかと思います。
  以下に報告の要旨と、質疑応答の様子を紹介します。ご参加くださった方には内容の再確認として、また今後の Sapientia会研究会に興味のある方には、会の様子を知る一助としていただければ幸いです。

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<第1報告> 
イタリアのロマネスク美術と古代遺物
文学研究科史学専攻博士前期課程 桑原真由美



 今回の研究会では『イタリアのロマネスク美術と古代遺物』というタイトルで、修士論文のテーマ設定に至ったきっかけと今後の展望について発表を行った。
 報告者が修士論文で取り扱うのは、イタリア中北部の都市モデナの大聖堂であり、12世紀初頭に建設されたこの聖堂の外壁のレリーフ群には、古代石棺の図像が典拠となっているものが多い。これら古代由来の図像については、主にキリスト教の論理を軸とした解釈が中心であり、世俗の人々がどのように受容していたかといった点が語られてこなかった。そのような既存の解釈への批判の中で、イタリアの美術史家であるサルヴァトーレ・セッティスは、モデナ大聖堂の《下向きの松明を持った童子》の図像(写真参照)が、古代後期~中世にいたるまで繰り返し葬礼的な用途において利用されてきたこと、専門的知識がなくてもその機能や用途から葬礼的な意味は理解されたであろう、ということを指摘している。これをふまえ、報告者は、モデナ大聖堂の古代由来の図像群について、最新の発掘資料などにあたりながら、古代から中世に至るまでの図像の展開を整理し、世俗の人の観点から解釈を見直していくこととした。また、注文主(聖堂参事会)と受容者(市民、近隣農村住民)の相互関係についての概説を紹介し、今後さらに実態を掘り下げていく予定であることが述べられた。
 質疑応答では、パノフスキーの図像解釈に対するセッティスの批判について、および、都市のアイデンティティーとしての古代遺物利用について、補足説明が求められた。また、図像解釈の方法論についての質疑においては、図像の追加や再構成などの痕跡をたどる必要があることが説明された。この点については、傍証となる動物譚、詩、伝承などの収集も今後の課題であると考えている。


下向きの松明を持った童子(発表者撮影)





<第2報告>
後漢末期~三国時代における西方異民族の働きと漢化について ※卒業論文報告
文学部史学科 宮内勇弥



 報告者は現在「後漢末期~三国時代における西方異民族の働きと漢化について」という題で研究を行っている。西方異民族は前漢の武帝の遠征以来、政府の政策によって内部に移住を強いられ、官吏の汚職などによる搾取されていく弱い存在であった。度々反乱を起こすものの、その度に討伐され、必要によっては更なる移住を強いられることとなっていたのである。
 このような立場にあった西方移民族であったが、その地位が大きく変動していく時代が後漢末期~三国時代であると報告者は考えている。184年の黄巾の乱以降、中国国内は大きく混乱し、実力によって力を得た諸侯が活躍する時代となった。このような時代の中で異民族が戦力として大きな役割を果たしていくことになる。帝を拉致し、一時政治を思うがままに操った董卓の配下には数多くの異民族がおり、更に異民族と漢民族のクォーターである馬超は蜀の劉備に仕え、後に五虎大将と言われるまでの功臣となった。このようにこの時代の異民族は大きな働きをなし、立場も大きく変わり、漢民族と同等の地位にまで復したと考えている。
 質疑応答においては、史料の少なさ故の心配や、漢化とはいったいどのようなものであうかといった指摘を受けた。現状では史料の制約上、手詰まりとなる可能性もあるため、烏桓や鮮卑などの北方異民族、南方の呉と接触していた山越まで手を伸ばしてみようと考えている。また、漢化についても未だ自分の中の定義がしっかりとしていないため、王朝側の対応から漢化を定義付けたいと考えている。


発表者近影

(※掲載の写真は、すべて報告者の了承を得たものです)

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 上智大学Sapientia会は、同大学院に在籍する学生の相互交流を目的とした横断的研究会です(運営は現在史学専攻による)。研究会誌『紀尾井論叢』の 発刊も行っております(全3号既刊)。現在、報告会(次回は2015年冬を予定)の発表者および会誌『紀尾井論叢』の投稿者を随時募集しております。専攻に関わらず、意欲ある皆様の研究発表の場をご用意しておりますので、研究会および雑誌に関心がおありの方は、sapientiasophiaXgmail.com(Xを@に変換)までご気軽にお問合せください。


2015年7月17日金曜日

『紀尾井論叢』第3号 発刊のお知らせ




 『紀尾井論叢』第3号が発刊されましたので、お知らせいたします。

 Sapientia会は、大学院生の学術交流を目的として2012年に発足しました。昨年は新たな試みとして、交流の輪を他専攻から学部生にまで広げることができました。その試みの結晶が『紀尾井論叢』という雑誌であり、第3号となった今回は、大学院新聞学専攻から1名、学部生から1名(現・大学院博士前期課程)の論稿をいただきました。少しずつではありますが、創刊の目的に沿って歩みを進められているのではないかと感じます。各方面よりご指摘や評価をいただき、本会および本誌が盛んな議論の場となれれば、本号に携わった編集委員、執筆者一同、この上ない喜びでございます。

 以下、目次を掲載いたします。

2015年7月11日土曜日

第7回Sapientia会研究会開催のお知らせ

 第7回Sapientia会(2015年8月)の詳細が決まりましたので、ご案内申し上げます。


 Sapientiaとはラテン語でSophia=上智を意味します。Sapientia研究会は、上智大学内他専攻大学院生との相互交流を深めると共に、他分野の研究内容やその手法を知ることで、各々が自らの研究を深めることを目的としています。
 また、この研究会を通じてより広範な知識を得るだけではなく、専門外の方々にも自らの研究の意義と内容を理解してもらうための創意工夫と努力を重ねるこ とは、大学院生の研究職への就職難が叫ばれる昨今の状況下、ますます必要 とされるであろう、より多くの人へ自身の研究成果をアピールする術を会得するための貴重な機会となると考えています。
 将来的にこの研究会と上智大学大学院生の総合交流の輪がより大きな広がりとなるよう、他専攻所属大学院生や、学部生の参加もお待ちしております。

  

 以下、第7回会研究会の概要となります。

  今回は、2名の報告者に、修論および卒論に関連したご報告を行っていただきます。普段なじみの薄い分野にも触れられる場となるほか、卒業論文の執筆を予定されている方には、ひとつの指針としてもご参考にしていただけると思います。大学院への進学をご検討されている学部生の皆様には、実際の院生と交流する数少ない機会ともなりますので、専門や学科に関わらず、ぜひお気軽にご参加ください。
 なお、当日は会誌『紀尾井論叢』第3号の頒布も予定しております。こちらも是非ご期待下さい。

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日時:2015年8月7日(金) 14:00~16:00

会場:上智大学12号館203教室


14:00~

イタリアのロマネスク美術と古代遺物

文学研究科史学専攻 桑原真由美



15:00~

後漢末期~三国時代における西方異民族の働きと漢化について

文学部史学科 宮内勇弥





本会は、研究会報告者および雑誌投稿者を通年で募集しております。
次回第8回研究会は2015年冬の開催を予定しております。
研究会や雑誌『紀尾井論叢』に関してのお問い合わせ等は、本ブログトップページまたはsapientiasophiaXgmail.comまで(「X」を「@」に置き換えて)ご連絡ください。

2015年5月24日日曜日

2015年度歴研大会に出店いたしました

 5月23日(土)、24日(日)の両日にわたり、慶應義塾大学三田キャンパスで行われた歴史学研究会大会に出店させていただきました。2日目は天候がどうなるか不安もありましたが、両日とも晴天のもとで行われ、展示会場は多くの方で賑わっておりました。
 ご来場くださった方々、どうもありがとうございました。

2015年5月14日木曜日

歴研大会に出店いたします

 こんにちは、上智大学Sapientia会です。

 今回で第3号となりました『紀尾井論叢』は、2015年7月に発刊を予定しております。今号は、2つの専攻から計6本の論稿が集まりました。現在編集作業を鋭意行っております。
 引き続き、Sapientia会研究会報告者および『紀尾井論叢』第4号の投稿者を募集しておりますので、興味がおありの方は、要項をご確認の上、下記アドレスまでお気軽にご連絡ください。

 さて、上智大学Sapientia会は、5月23日(土)、24日(日)に慶応義塾大学三田キャンパスで開催される2015年度歴史学研究会大会に出店いたします。ブースの場所等の詳細は未定ですが、大会にお越しの際には、本会のブースにぜひお立ち寄りください。今回は、『紀尾井論叢』創刊号および第2号を出品いたします。

上智大学Sapientia会
Email: sapientiasophia@gmail.com